RESEARCH REPORT

研究資料(トンネル覆工の浮き・空洞・巻厚を電磁波レーダで調査した事例)

トンネル覆工の浮き・空洞・巻厚を電磁波レーダで調査した事例

トンネル覆工を電磁波レーダで測定している様子
電磁波レーダ法によるトンネル覆工内部の調査

トンネル覆工の浮き・空洞・巻厚
調査事例

測定の様子

電磁波レーダ(iRadar法)を用いることで、トンネル覆工内部の浮き・空洞・覆工厚(巻厚)などを非破壊で調査できます。本ページでは、標準試験および実際の調査事例をもとに、垂直断面画像(Bモード)による浮き・空洞の反応、覆工厚の計測例をご紹介します。

国土交通省 点検支援技術性能カタログ(トンネル)掲載技術:TN020022-V0024
※カタログ掲載機種:iRadar ADSPIRE 01
※本ページに掲載している測定データは、iRadar ADSPIRE 01を使用して取得したものです。

トンネル覆工内部を電磁波レーダで調査

トンネル覆工の変状調査では、打音点検や部分的なコア削孔が広く用いられています。一方で、浮きや空洞の位置・範囲、覆工厚(巻厚)といった情報を面的・定量的に把握するには、記録として残る計測データが求められます。

iRadar法(電磁波レーダ法)では、覆工表面から非破壊で計測を行い、垂直断面画像(Bモード)として内部の反応を確認できます。取得した計測結果はデータとして保存・出力できるため、既存の点検結果を補完し、修繕計画や詳細調査の検討材料として活用できます。

標準試験による浮き・巻厚の測定

ロボットテストフィールドにおいて、トンネル覆工内部の浮きおよび覆工厚(巻厚)を対象とした標準試験を実施しました。

測定の様子

ロボットテストフィールドで測定している様子
測定の様子
iRadarでトンネル覆工を測定している様子
測定の様子

浮きの測定結果

本標準試験では、試験体に設けられた18か所の「浮き」を測定し、18か所すべてで反応を確認しました。

浮きの測定結果 画像をクリックで拡大
iRadarによる浮きの測定データ 画像をクリックで拡大

巻厚の測定結果

覆工コンクリートの厚さ(巻厚)についても反応を確認でき、計測結果から覆工厚を把握し、巻厚不足の判断に活用できることを確認しました。

覆工厚(巻厚)の測定結果 画像をクリックで拡大
iRadarによる覆工厚(巻厚)の測定データ 画像をクリックで拡大
検証結果
  1. 本標準試験では、ロボットテストフィールドの試験体に設けられた18か所の「浮き」を測定し、18か所すべてで反応を確認しました。
  2. 覆工厚(巻厚)についても反応を確認でき、計測結果が巻厚不足の判断に活用できることを確認しました。

※上記は特定の試験体および試験条件における測定結果です。検出性は覆工厚、配筋状態、含水状態、変状の規模などの条件によって異なります。

トンネル覆工内部の空洞調査事例

打音点検およびコア削孔時に、空洞化が広範囲に及んでいることを確認した事例です。

測定の様子

トンネル覆工内部の空洞を測定している様子
測定の様子
iRadarを使用して空洞を測定している様子
測定の様子

空洞の位置・範囲を把握する必要性

空洞が確認された場合、修繕方法の一つとしてグラウト注入が用いられます。ただし、点検結果だけでは空洞の位置や範囲を十分に把握できない場合があり、補修数量の算定や修繕工法の検討には、より詳細な位置・範囲の把握が求められます。そのため、空洞の位置や範囲を客観的な計測データとして取得できる調査が有効です。

打音点検を補完する計測データを取得

垂直断面画像(Bモード)により、打音点検だけでは把握しにくい空洞の位置や深さ、覆工厚などを計測データとして確認できます。また、計測結果はExcelデータとして保存・出力でき、修繕計画や詳細調査の検討材料として活用できます。

点検結果だけでは把握しにくかった空洞の位置・配筋状況を計測データで確認

本事例では、打音点検および部分的なコア削孔だけでは、空洞の位置や配筋状況を詳細に把握することが困難でした。

iRadarによる計測では、空洞の位置を距離方向・深さ方向で確認できました(※1)。また、配筋状況についても判断できました(※2)。

iRadarによる空洞位置と配筋状況の測定データ 画像をクリックで拡大
空洞位置と配筋状況のイメージ図 画像をクリックで拡大

※1 表面から50mm付近の深さに空洞が確認されました。
※2 同一箇所において配筋が確認されました。
※本事例における測定結果であり、検出性は現場条件によって異なります。

その他の浮き・空洞検出事例

浮きの検出事例

浮きがある箇所では、浅部に白色の横縞状の反応が表示されます。計測データ上で「浮きあり」の区間と「浮きなし」の区間を比較することで、範囲の把握が可能です。

iRadarによって浮きを測定している様子
測定の様子
浮きがある箇所の測定データ 画像をクリックで拡大

空洞の検出事例

計測データから図のような形状が推測され、空洞が存在すると考えられます。また、この反応は、空洞が存在する箇所で確認される特徴的な波形の一例です。

iRadarによって空洞を測定している様子
測定の様子
空洞の存在を示唆する反応が確認された測定データ 画像をクリックで拡大

※計測データから推定される空洞の形状は、幅約980mm、深さ約100mm付近です。推定値であり、実際の状態と差異が生じる場合があります。

ADSPIRE 02によるトンネル覆工調査

本ページの事例で使用したiRadar ADSPIRE 01は、最終販売分が完売し販売を終了しています。後継モデルのADSPIRE 02では、ハードウェアの刷新とノイズ低減技術により基本性能を高め、深度表示レンジを最大900mm(比誘電率による)まで拡張しました。厚い覆工や深部の反応確認を含め、より幅広いコンクリート構造物の調査に対応しています。

調査可能な深度や検出性は、覆工厚、配筋状態、背面地山の状況、含水状態、変状の規模などによって異なるため、現場条件を確認したうえで適用可否をご提案します。

※「深度表示レンジ最大900mm」は表示可能な深度範囲を示すもので、当該深度にあるすべての対象物や変状の検出を保証するものではありません。
※本ページに掲載している測定データはADSPIRE 01で取得したものであり、ADSPIRE 02による測定結果ではありません。

点検支援技術性能カタログへの掲載

国土交通省の点検支援技術性能カタログ(トンネル)に、電磁波レーダー(iRadar ADSPIRE01)を用いた覆工探査支援技術として掲載されています。

技術名:電磁波レーダー(iRadar ADSPIRE01)を用いた覆工探査支援技術
技術番号:TN020022-V0024
※カタログ掲載機種はiRadar ADSPIRE 01です。ADSPIRE 02は本カタログの掲載機種ではありません。

トンネル覆工の浮き・空洞・巻厚を調査できるか、現場条件から検討します

調査の可否や検出性は、覆工の巻厚、配筋状態、背面地山の状況、変状の規模、現場の交通規制条件などによって異なります。次の情報をご用意いただくと、より具体的な検討が可能です。

  • トンネルの種類・延長
  • 調査対象範囲(区間、アーチ・側壁など)
  • 想定される覆工厚(巻厚)
  • 確認したい変状(浮き、空洞、巻厚不足など)
  • 既存の点検結果・打音調査結果
  • 図面、コア削孔などの記録
  • 交通規制や作業可能時間の条件
  • 調査の目的(修繕計画、詳細調査など)
東京本社 03-6379-0334

【9:00〜18:00】

大阪事業所 06-4256-6539

【9:00〜18:00】

※本ページの内容は特定の試験体および現場条件における測定結果であり、検出性は覆工厚、配筋状態、含水状態、背面の状況などの条件によって異なります。
※空洞・浮きの範囲および深さは計測データから推定される値であり、実際の状態と差異が生じる場合があります。
※計測データは点検・修繕の判断材料としてご活用いただくものです。

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